UGCとは
UGCとは、「User Generated Content(ユーザー生成コンテンツ)」の略称で、企業ではなく、その製品やサービスを利用する一般のユーザーによって制作・発信されたあらゆるコンテンツを指します。具体的には、SNSへの投稿、製品レビュー、ブログ記事、写真、動画、Q&Aサイトでの回答などがこれに該当します。企業が広告費を投じて制作するコンテンツと異なり、UGCはユーザーのリアルな体験や本音が反映されているため、第三者の客観的な意見として高い信頼性を持ちます。特にソーシャルメディアが主流となった現代において、UGCは購買行動に大きな影響を与える、企業の強力なマーケティング資産として注目されています。
信頼性と共感を呼ぶ「アーンドメディア」の核
UGCの最大の価値は、企業発信の情報にはない「高い信頼性」と「共感性」を持っている点です。人は、企業が自社の製品を褒めるメッセージよりも、実際にそれを使った一般の顧客の「生の声」を信じる傾向があります。
例えば、BtoCの化粧品ECサイトで、商品の詳細な説明文よりも、一般のユーザーが投稿した使用前後の比較写真や、正直な感想レビューの方が、購入を迷っている顧客の背中を押す強力な動機付けになります。UGCは、トリプルメディア戦略における「アーンドメディア」の具体的な形であり、企業が一方的に情報を流すプッシュ型マーケティングでは到達できない、深いレベルでの顧客からの共感を呼び起こします。このリアルな声の力こそが、新規顧客の獲得やブランドロイヤルティの構築において、UGCが欠かせない理由です。
コンテンツ制作コストの削減と効率的なWeb集客
UGCは、企業にとって「低コストで質の高いコンテンツ」を継続的に獲得できるという、経済的なメリットも提供します。常に新しいコンテンツを制作し続ける必要があるWebマーケティングにおいて、UGCは企業のコンテンツ制作の負担を大きく軽減します。
例えば、BtoCの旅行業界や食品業界では、ユーザーが旅行先や食事の写真をSNSに投稿してくれるだけで、企業はそれらをWebサイトや広告素材として二次利用できます。これにより、莫大なコストをかけてプロのカメラマンやモデルを起用する必要がなくなります。また、UGCをWebサイトのランディングページ(LP)や商品ページに組み込むことで、サイトの鮮度を保ちながら、顧客の視覚的な興味を引きつけ、離脱率の低下にも貢献します。ベンチャー企業や中小企業のようにマーケティング予算が限られている場合、UGCの活用は非常に効率的なコンテンツマーケティング戦略となるのです。
BtoB領域におけるUGCの可能性と活用
UGCはBtoC領域のイメージが強いかもしれませんが、BtoBマーケティングにおいてもその影響力は増しています。BtoBにおけるUGCは、単なるSNSの投稿だけでなく、顧客企業による導入事例や第三者レビューサイトでの評価コメントといった形で現れます。
例えば、SaaSツールを導入する企業担当者が最終決定を行う際、特定のベンダーのWebサイトにある導入事例を読むだけでなく、GartnerやITreviewといった第三者によるレビューサイトでの「現場の担当者の正直な評価」を必ず参照します。これらのレビューは、BtoBにおける最も重要なUGCの一つです。企業は、顧客が満足したサービスや体験を提供することで、このような質の高いUGC(顧客からの推奨)を発生させ、それらを積極的にWebサイトや提案資料に組み込むことで、見込み客の信頼感を獲得し、商談を有利に進めることができます。
Q&A
Q1. UGCの代表的な例にはどのようなものがありますか?
SNSに投稿された製品の写真や動画、ECサイトやレビューサイトに書き込まれた顧客レビュー、個人のブログ記事、Q&Aサイトでの製品に関するコメント、ユーザーが作成したファンアートなどが代表的な例です。
Q2. UGCをマーケティングに活用する際の注意点は何ですか?
必ず投稿者本人に利用許諾を得ることと、投稿内容を改変せずに利用することが重要です。また、誤解を招くような誇大な表現や、不適切なコンテンツを利用しないよう、品質管理を徹底する必要があります。
Q3. UGCの活用はSEOに役立ちますか?
間接的に役立ちます。UGCを含むコンテンツはWebサイトの情報の鮮度を高め、顧客のエンゲージメント(滞在時間や回遊率)を向上させる傾向があります。これらの要素は、検索エンジンがWebサイトを評価する際のプラスのシグナルになる可能性があります。
Q4. BtoBにおける「UGC」とは具体的にどのようなものですか?
顧客企業が第三者のレビューサイトに投稿した製品の評価、顧客企業が自主的に発信する製品活用に関するSNS投稿、顧客企業の担当者が登壇する事例セミナーの内容などがBtoBにおけるUGCに該当します。
Q5. 意図的にUGCを増やすにはどうすれば良いですか?
SNSでのハッシュタグキャンペーンを実施すること、製品購入者へのレビュー投稿を促すインセンティブ(クーポンなど)を提供すること、ユーザーコミュニティを運営して交流を促進することなどが有効な方法です。