セッション

    セッションとは

    セッションとは、Webサイトの訪問者が、サイトに流入してから離脱するまでの一連の行動を一つの単位としてまとめたものです。簡単に言えば、「訪問」や「来訪」を意味します。たとえば、あるユーザーがWebサイトにアクセスして、複数のページを閲覧した後にサイトを閉じたとします。この一連の行動が、一つのセッションとしてカウントされます。

    セッションは、Webサイトのアクセス状況を測る上で最も基本的な指標です。セッション数を把握することで、Webサイトがどれだけ多くのユーザーに訪れられているかを客観的に評価することができます。

    セッションがWebマーケティングに不可欠な理由

    セッションは、Webマーケティングの効果を測定する上で不可欠な指標です。なぜなら、セッション数を分析することで、集客施策がうまくいっているかどうかを判断できるからです。

    BtoCビジネスの場合、ECサイトへのセッション数が増加すれば、広告やSNS施策がうまく機能していると判断できます。セッションの流入元(どこから来たか)を分析することで、どの広告媒体が最も効果的かを見極めることができます。

    BtoBビジネスでは、セッション数だけでなく、セッションごとの滞在時間や閲覧ページ数も重要です。セッションあたりの滞在時間が長い、または多くのページを閲覧しているセッションは、サービスへの関心が高い見込み客である可能性が高いと判断できます。

    セッションを正しく理解し、分析することで、どの施策に予算を投じるべきか、どのコンテンツを充実させるべきか、といった意思決定をデータに基づいて行うことができます。

    セッションとLPO・ABテストの深い関係性

    セッションは、LPOランディングページ最適化)やABテストを始めるために必要な最初のデータとなります。セッション数を増やすことは、LPOやABテストの前提条件と言えるでしょう。

    LPOでは、特定のランディングページへのセッションがどれくらいあるかを分析し、そのセッションがコンバージョンに至っているかを評価します。もしセッション数が多いにもかかわらず、コンバージョン率(CVR)が低い場合、そのランディングページに問題がある可能性が高いと判断できます。

    そこでABテストの出番です。LPOの仮説を立てて、複数のランディングページをテストする際、各ページのセッション数を均等に割り振ることで、客観的なデータを取得できます。これにより、どちらのページがより多くのコンバージョンを獲得できるか、科学的に検証できるのです。

    セッションは、単なる訪問数を測るだけでなく、その後のユーザーの行動を分析する上で、すべてのデータの出発点となります。

    セッションのカウント方法と注意点

    セッションは、ユーザーがサイトにアクセスしたときに開始され、サイトから離れると計測が終了します。

    セッションのカウントで注意しなければならないのが、ユーザーが30分間Webサイトで何も操作しなかった場合です。この場合、30分経過後にセッションは終了し、再度ユーザーが何か行動を起こすと、新しいセッションが開始されます。

    また、日付が変わるとセッションはリセットされます。たとえば、23時50分にウェブサイトにアクセスして、翌日の0時10分まで滞在した場合、セッションは2回カウントされます。

    さらに、流入元が変わると新しいセッションが始まります。たとえば、Google検索からサイトにアクセスした後に、SNSの広告をクリックして再度同じサイトに戻ってきた場合、セッションは2回カウントされます。

    セッションのカウント方法を理解しておくことで、アクセス解析のデータをより正確に読み解くことができるでしょう。

    Q&A

    Q1. セッションとページビュー(PV)はどう違うのですか?

    セッションは「訪問」の単位であるのに対し、ページビューは「閲覧されたページ数」を意味します。1回のセッションで5ページ閲覧した場合、セッションは1ですが、ページビューは5とカウントされます。

    Q2. セッションとユニークユーザー(UU)はどう違うのですか?

    セッションは「訪問回数」を意味し、ユニークユーザーは「訪問人数」を意味します。たとえば、ある人がウェブサイトに3回訪問した場合、セッションは3回、ユニークユーザーは1人とカウントされます。

    Q3. セッションはどれくらいの時間でカウントされますか?

    GA4(Googleアナリティクス4)の場合、デフォルトでは30分間ユーザーの行動がないとセッションが終了します。

    Q4. セッションの数が多ければ多いほど良いですか?

    必ずしもそうとは限りません。セッション数が多くても、コンバージョン率が低ければ、集客施策が非効率である可能性があります。セッション数だけでなく、CVRや直帰率といった他の指標と合わせて分析することで「セッションの質」を見極めることも重要です。

    Q5. セッションが短時間で終わってしまうのはなぜですか?

    ページの読み込みが遅い、広告とページのコンテンツにズレがある、ファーストビューが魅力的でない、などが考えられます。PageSpeed Insightsやヒートマップ分析で原因を絞り込みましょう。

    Q6. セッション数はどうやって確認できますか?

    GA4のようなアクセス解析ツールで確認できます。

    Q7. 広告運用の最適化にセッションは役立ちますか?

    もちろん役立ちます。GA4とutmパラメータを使って広告ごとの流入を区別できるようにし、セッション→CVR→CPA の流れで広告評価を行えるようにすると、止めるべき広告・伸ばすべき広告が判別できます。

    Q8. セッションはSEOに影響しますか?

    直接ランキングには影響はありません。しかし、セッションあたりの滞在時間が長い、ページビューが多いといったデータは、ユーザーがそのサイトに価値を感じている証拠となり、間接的にSEOに良い影響を与える可能性があります。

    Q9. セッション数が急に増えた場合の確認ポイントは?

    GA4などのアクセス解析で、流入元の内訳、参照元ドメイン、国・地域、ランディングページを確認。異常なリファラーやボット指標があれば、GA4で除外・フィルタ設定を行います。

    Q10. セッションの目標はどうやって設定すればいいですか?

    売上や獲得目標から逆算しましょう。必要CV数→必要CVR→必要セッション数の順に設計すると、現実的なKPIになります。

    関連用語

    ページビュー(PV)

    ユニークユーザー(UU)

    アクセス解析

    LPO

    ABテスト

    コンバージョン率(CVR)

    直帰率

    滞在時間

    流入元

    ファーストビュー

    SEO

    KPI