ROASとは
ROASとは、Return On Advertising Spend(広告費用対効果)の略で、投じた広告費用に対してどれだけの売上があったかを測る指標です。計算式は(広告経由の売上 ÷ 広告費用)× 100(%)で表され、主に広告施策の効率性を評価するために使われます。例えば、ROASが300%であれば、100万円の広告費で300万円の売上が得られたことを意味します。この数値は、広告予算をどこに集中させるかという日々の運用判断に不可欠な基準となります。
ROASが広告予算の最適配分を実現する
ROASは、デジタルマーケティングにおける広告予算の最適配分を実現するための最も重要な指標の一つです。特に複数の広告媒体やキャンペーンを展開している場合、それぞれのROASを比較することで、費用対効果の高い施策を明確に特定できます。
例えば、BtoCのEC事業者がリスティング広告とSNS広告を運用しているとしましょう。リスティング広告のROASが500%で、SNS広告のROASが200%であれば、利益を最大化するためには、より高いROASを叩き出しているリスティング広告に予算をシフトするという判断が合理的になります。この判断は、大手企業だけでなく、限られた予算で成果を追求するベンチャー企業にとっても、無駄な出費を抑え、成長を加速させるために非常に重要です。
ROAS向上におけるLPOとABテストの貢献度
ROASを向上させるためには、「売上を増やす」か「広告費用を減らす」かのいずれか、または両方を追求する必要があります。ここでWebマーケターが取り組むべきなのが、LPO(ランディングページ最適化)やABテストによる売上の最大化です。広告費を変えずに、ランディングページのコンバージョン率(CVR)を改善できれば、同じ広告費用でも売上が増えるため、ROASは自動的に向上します。
例えば、ある広告キャンペーンのクリック率(CTR)は高いものの、ROASが低い場合、問題は「広告文」ではなく、「ランディングページ」にある可能性が高いと推測できます。このとき、LPOを通じてページの内容やフォームの改善を行い、ABテストで効果検証することで、広告のパフォーマンスを最大限に引き出すことが可能になります。広告運用の効率を測るROASは、LPOとABテストの効果を評価する上での最終的なモノサシとなるのです。
ROIとの違いを理解し、ROASを利益に繋げる視点
ROASは「売上」を基準にするため、利益を考慮に入れた「ROI(投資利益率)」とは区別して考える必要があります。極端な例ですが、ROASが300%であっても、商品の原価やその他の経費が高ければ、最終的な利益はマイナスになることもあります。
したがって、マーケターはROASを追いかけるだけでなく、「目標ROAS」を設定することが重要です。この目標ROASは、「この商品・サービスで利益を出すために最低限必要な売上」を逆算して決められます。具体的には、「売上目標 ÷ 広告費の目標」から算出され、これを下回るキャンペーンは停止や改善の対象となります。単にROASの数値が高い低いだけでなく、最終的な事業の利益(ROI)に繋がっているかという視点を持って、広告運用とWebサイト改善に取り組む姿勢が求められます。
Q&A
Q1. ROASとROIはどちらを優先して見るべきですか?
広告施策の「効率」を短期的に判断し、予算配分を決める際にはROASを優先します。しかし、事業の「利益」を最終的に評価し、経営的な意思決定を行う際にはROIを優先します。両方の指標を確認し、「高ROASかつ高ROI」を目指すのが理想的です。
Q2. ROASが100%未満の場合、広告を続けるべきですか?
ROASが100%未満は、広告費用を売上で回収できていない、つまり赤字の状態を示します。基本的にすぐに停止または大幅な改善が必要です。ただし、LTV(顧客生涯価値)が非常に高い商材や、ブランド認知が目的の場合は、短期的なROASが低くても継続を検討する場合があります。
Q3. 目標ROASはどのように設定するのですか?
目標ROASは、「利益を確保するために必要な最低限の売上」を逆算して設定します。具体的には、「売上から原価などの諸経費を引いた利益率」を考慮し、「1 ÷ 許容できる原価率・経費率」などの計算で算出されます。この目標値を上回れば利益が出ていると判断できます。
Q4. LPOやABテストの結果は、ROASにどう影響しますか?
LPOやABテストでランディングページのCVRが向上すると、広告費用(分母)を変えずに売上(分子)が増えるため、ROASは向上します。CVR改善は、ROASを上げるための最も直接的で有効な施策の一つです。
Q5. ROASを高めるために、具体的にどのような改善策がありますか?
ROAS向上のための施策は多岐にわたりますが、代表的なのは「CPA(顧客獲得単価)が高いキーワードの入札を下げる」「コンバージョン率の低い広告クリエイティブを停止する」「LPOやABテストでランディングページのCVRを改善する」といった、効率の悪い部分を削減し、効率の良い部分を伸ばすアプローチです。
関連用語
コンバージョン単価(CPA)
コンバージョン率(CVR)