ポストロール広告とは
ポストロール広告とは、動画プラットフォームなどで、ユーザーが見た本編の動画コンテンツが完全に終了した後に表示される動画広告の形式のことです。「ポスト(Post)」は「後」を意味し、動画の再生が終わり、ユーザーの視聴目的が一度達成されたタイミングで配信されます。プレロール広告やミッドロール広告とは異なり、ユーザーの視聴体験を中断することがないため、比較的ストレスを与えにくい広告手法の一つと言えるでしょう。この広告は、動画コンテンツの内容に最後まで集中し、視聴を完了したユーザーという、関心度の高い層にリーチできるという大きな特徴を持っています。
高い関心度を持つユーザーへの効率的なアプローチ
ポストロール広告がマーケティングで評価される点は、その広告に接触するユーザーの質が高いことにあります。本編の動画を最後まで視聴したユーザーは、そのコンテンツや関連するトピックに対して高い関心を持っていることが証明されていると言えるでしょう。
特に、長尺の解説動画やBtoBの製品デモンストレーション動画の後に表示されるポストロール広告は、その効果を発揮します。動画の内容を通じて、製品やサービスへの理解度が高まり、購買意欲が高まっているユーザーに対して、具体的な次の行動を促すための広告を表示できるからです。例えば、動画が特定のSaaS製品の利点を解説するものだった場合、その直後に「無料トライアルはこちら」というポストロール広告を表示することで、高いコンバージョン率(CVR)が期待できるアプローチとなります。
ユーザーの離脱を考慮したクリエイティブとCTA
ポストロール広告は、動画の終了直後というタイミングのため、ユーザーが満足して他のWebサイトへ移動したり、動画ウィンドウを閉じたりする離脱の瞬間と競合することになります。そのため、ユーザーが次の行動を起こす前に、いかに早く、そして明確に広告メッセージと誘導先(CTA)を提示できるかが重要になってきます。
広告のクリエイティブは、動画本編の余韻を壊さず、しかし明確なアクションを促すような簡潔なデザインが求められます。特に重要となるのが、広告内に表示されるクリック可能なボタンやリンク(CTA)の設計です。「詳細はこちら」よりも「資料をダウンロード」や「今すぐ無料登録」といった具体的な行動を促す言葉を用いることで、ユーザーの次のステップへの移行をスムーズにします。また、広告の尺も長すぎるとすぐに閉じられてしまう可能性があるため、要点を絞った短めの動画を用いるのが効果的でしょう。
コンバージョン(CV)獲得を目的とした活用戦略
プレロール広告が「認知」を主目的とするのに対し、ポストロール広告は「コンバージョン(CV)獲得」や「深いエンゲージメント」を目的とした活用が中心となります。ユーザーが動画コンテンツで得た知識を、すぐさま行動に繋げるための後押しとして機能するのです。
例えば、BtoCの料理動画が終わった後で、動画で使われた調理器具や食材の販売ページへ誘導する広告を表示することが考えられます。また、BtoBでは、業界のトレンドを解説する動画の後に、そのトレンドに対応するための専門的なコンサルティングサービスの申し込みページへ誘導する広告を流すといった戦略が有効です。マーケターは、アクセス解析を活用し、どの動画の後に表示されたポストロール広告が最もコンバージョンに貢献したかを分析し、ターゲットユーザーの検討フェーズに合わせた最適なクリエイティブとランディングページを組み合わせることが、成果を最大化する鍵となります。
Q&A
Q1. ポストロール広告のメリットを教えてください。
動画を最後まで見た関心度の高いユーザーにアプローチできるため、コンバージョン率が高くなる傾向があること、また、ユーザーの視聴体験を中断しないため、比較的ストレスを与えにくいことがメリットです。
Q2. ポストロール広告で注意すべき点は何ですか?
動画終了後にユーザーがすぐに離脱する可能性が高いため、広告の表示時間やCTA(行動喚起)を明確にし、ユーザーがアクションを起こしやすい設計にすることが重要となります。
Q3. ポストロール広告は、どんな目的で使われることが多いですか?
主に、動画コンテンツで高まったユーザーの関心や購買意欲を、実際のコンバージョン(商品購入、資料請求、申し込みなど)に直結させる目的で使われることが多いですね。
Q4. 広告の尺はどれくらいが良いとされていますか?
ユーザーの離脱を防ぐためにも、一般的には短い尺(15秒以内など)が推奨されます。伝えたいメッセージを明確に絞り込み、クリックを促す要素に重点を置いたクリエイティブが効果的です。
Q5. ポストロール広告の効果を最大限に高めるには、どうすれば良いですか?
広告のクリエイティブと、ユーザーが見た本編動画のコンテンツ内容を深く関連づけることが最も重要です。動画で紹介された製品やトピックに直結するCTAを明確に提示し、ランディングページへの誘導をスムーズに行いましょう。