マイクロコンバージョンとは
マイクロコンバージョンとは、Webサイトの最終目標(コンバージョン)に至る手前の、小さな目標達成を指す言葉です。たとえばECなら「商品をお気に入り登録」「カート投入」「会員登録」。BtoBなら「料金プランページの閲覧」「ホワイトペーパーDL」「導入事例ページ閲覧」がマイクロコンバージョンに該当します。これらの小さな行動を分析することで、ユーザーが最終的なゴールに至るまでの道のりで、どこに課題があるのかを正確に把握することができます。
なぜマイクロコンバージョンが必要なのか?
マイクロコンバージョンは、Webマーケティングを効率的に進める上で欠かせない指標です。なぜなら、多くのWebサイトでは、最終的なコンバージョンの件数が少なく、改善策の効果を測るのが難しいからです。しかし、マイクロコンバージョンは最終的なコンバージョンに比べて件数が多いため、施策の効果検証を素早く行うことができます。
BtoCビジネスの場合、特にECサイトでその真価を発揮します。「カートに追加」というマイクロコンバージョンを分析することで、「商品の魅力は伝わっているが、購入手続きでユーザーが離脱している」といった課題が見つかります。この課題を解決するための施策を打つことで、最終的な購入というコンバージョンに繋がります。
BtoBビジネスでも同じです。例えば、「資料請求」という最終コンバージョンの前に「ホワイトペーパーのダウンロード」や「製品紹介ページの閲覧」をマイクロコンバージョンに設定します。これらの指標を追うことで、今すぐではないが、将来顧客になる可能性のある見込み客を効率的に育成できるようになります。
マイクロコンバージョンとLPO・ABテストの深い関係性
マイクロコンバージョンは、LPO(ランディングページ最適化)やABテストを成功させるための重要な鍵となります。ランディングページで最終コンバージョンがなかなか発生しない場合でも、マイクロコンバージョンのデータを使えば、改善のヒントが見つかります。
例えば、LPの「お試しセット申し込み」というコンバージョンが少ないとします。この時、「商品の特徴ページ閲覧」というマイクロコンバージョンを分析すると、多くのユーザーがこのページを見ていることが分かったとします。このデータから「商品の魅力は伝わっている。しかし、申し込みフォームに問題があるのでは?」といった仮説が立てられます。
この仮説を検証するために、ABテストを行います。フォームの入力項目を減らしたり、入力支援機能を追加したりしたパターンと元のページを比較します。このテストの評価指標を「フォームへの到達率」というマイクロコンバージョンにすることで、最終コンバージョンが発生する前に、改善効果を素早く判断できるのです。
このように、マイクロコンバージョンをLPOやABテストに活用することで、仮説検証のサイクルを高速化し、効率的に最終コンバージョン率を向上させることができます。
Q&A
Q1. マイクロコンバージョンとコンバージョンの違いは何ですか?
コンバージョンが「商品の購入」や「資料請求」といった最終的なゴールであるのに対し、マイクロコンバージョンは、そのゴールに至るまでの小さな中間目標です。
Q2. なぜマイクロコンバージョンを追う必要があるのですか?
最終コンバージョン数が少ない場合でも、マイクロコンバージョンを追うことで、Webサイトの改善効果を測ることができます。また、ユーザーの行動を細かく分析できるため、最終的なコンバージョンの改善にも役立ちます。
Q3. どんな行動をマイクロコンバージョンに設定すべきですか?
最終コンバージョンに繋がりやすい行動、かつ件数が多く発生する行動を設定するのが良いでしょう。例えば、フォームへの到達や、特定ページの閲覧などがこれにあたります。
Q4. マイクロコンバージョンはどのように測定しますか?
GA4でイベントやカスタムコンバージョンとして設定し、計測することが可能です。
Q5. マイクロコンバージョンを活用すると、広告運用はどう変わりますか?
最終CVが少なくても、マイクロCVを機械学習の最適化イベントに設定すれば、早い段階から配信効率を高められます。
Q6. マイクロコンバージョンとコンバージョン率(CVR)はどう関係しますか?
マイクロコンバージョン率を改善することは、最終的なコンバージョン率(CVR)の向上に繋がる可能性が高いです。例えば、カートへの追加率が上がれば、購入という最終コンバージョンも増える可能性が高くなる傾向にあります。
Q7. マイクロコンバージョンは誰が設定すべきですか?
マーケティング担当者が中心となって設定することが多いです。ビジネスの目標から逆算して、最終的なコンバージョンに繋がる行動を洗い出し、設定しましょう。
Q8. マイクロコンバージョンはいくつ設定すればいいですか?
多すぎると管理が煩雑になるため、本当に重要なマイクロコンバージョンを3~5つ程度で設定するのが良いでしょう。
Q9. BtoBサイトでのマイクロコンバージョンの例を教えてください。
料金プランページの閲覧、ホワイトペーパーのダウンロード、導入事例ページの閲覧、ウェビナーへの申し込みなどがマイクロコンバージョンにあたります。
Q10. マイクロコンバージョンから最終コンバージョンを予測できますか?
はい、予測できます。過去のデータから「〇件のマイクロコンバージョンがあれば、1件の最終コンバージョンに繋がる」といった予測モデルを立てることも可能です。
関連用語
コンバージョン率(CVR)