KGI

    KGIとは

    KGIとは、Key Goal Indicator(重要目標達成指標)の略で、企業や事業、あるいはプロジェクトが最終的に達成すべき目標を数値で定めた指標のことです。簡単に言えば、ゴールそのものを定量的に表現したもので、「いつまでに、何を、どれだけ達成するか」を明確にします。「売上高10億円を達成する」「利益率を15%に引き上げる」「市場シェアを20%にする」など、KGIは基本的に企業の経営層が定める最も重要な最終目標となります。

    KGIがビジネスの最終的な成果を定義する

    KGIは、ビジネス活動における最終的な成果を定義し、組織全体を同じ方向に向かわせるための羅針盤として機能します。例えば、BtoCのEC事業を展開する大手企業の場合、KGIを「今期中に月間経常利益を前年比150%にする」と設定します。この目標が明確になることで、全ての部門は、この最終目標達成に向けて逆算して行動を計画できるようになります。

    一方で、新規事業を立ち上げたベンチャー企業の場合、KGIは必ずしも「売上」に限りません。市場への浸透を最優先する場合は「年間アクティブユーザー数10万人」や「有料会員獲得数5,000人」といった、事業のフェーズに合わせた最も重要な成果をKGIに設定します。KGIを具体的かつ数値で定義することは、リソースの配分を最適化し、無駄な施策を省くための判断基準となるのです。

    KGIとKPIの連携が戦略の実行力を高める

    KGIを達成するためには、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)との連携が不可欠です。KGIが最終的なゴールであるのに対し、KPIはそのゴールに至るまでの途中経過を測定する指標となります。このKGIとKPIの指標体系がしっかり構築されてこそ、戦略の実行力が担保されます。

    例えば、KGIを「今期の新規顧客からの売上1億円達成」と設定した場合、これを達成するためのKPIとして「新規リード獲得数:500件/月」「商談化率:20%」「受注単価:100万円」などが設定されます。マーケティング部門は「リード獲得数」をKPIとして追い、営業部門は「商談化率」や「受注単価」をKPIとして追うといった形で、KGI達成に向けた役割と責任が明確になります。Webサイトのコンバージョン率(CVR)改善を目的としたLPOやABテストは、このKPIを達成するための具体的な施策となります。

    マーケティング施策におけるKGIの設定とデータ活用

    マーケティング施策においてKGIを設定する際は、計測可能で、期限が明確であることが大前提となります。特にWebマーケティングでは、GoogleアナリティクスGA4)などのアクセス解析ツールを活用し、設定したKGIに対して現状がどう推移しているかを常にデータで把握する必要があります。

    例えば、広告予算の最適化を目指すマーケターの場合、KGIを「広告経由の顧客生涯価値(LTV)を昨対比120%に引き上げる」と設定します。このKGIは、単にコンバージョン(CV)の数を追うよりも、企業の長期的な利益に直結します。LPOやABテストでCVRを改善する際も、「このテストは直接KGIにどれだけ貢献するか」という視点を持つことで、重要度の高い施策にリソースを集中させることができます。KGIは、施策の優先順位を決め、費用対効果の高いマーケティングを実現するための、ブレない軸となるのです。

    Q&A

    Q1. KGIとKPIの違いを分かりやすく教えてください。

    KGIは「最終的なゴール(目標)」そのものであり、KPIは「ゴール達成のための途中経過を測る指標」です。マラソンに例えると、KGIが「4時間で完走する」という最終目標であるのに対し、KPIは「中間地点を2時間で通過する」「1kmを5分ペースで走る」といった、目標達成のためにクリアすべき具体的な行動目標となります。

    Q2. KGIはどのように設定するのが適切ですか?

    KGIは、SMARTの原則に基づいて設定することが推奨されます。Specific(具体的に)、Measurable(測定可能に)、Achievable(達成可能に)、Relevant(経営目標と関連性を持たせて)、Time-bound(期限を定めて)の5つの要素を満たすように設定することで、目標が曖昧になるのを防ぎます。

    Q3. KGIは一つだけ設定すべきですか?

    基本的には、組織やプロジェクトの最も重要度の高い最終目標を一つに絞ることが望ましいです。KGIを複数設定しすぎると、優先順位が曖昧になり、リソースが分散してしまうリスクがあります。ただし、事業によっては「売上」と「顧客満足度」など、両立が必要な重要目標を複数設定するケースもあります。

    Q4. WebマーケティングにおけるKGIの具体的な例を教えてください。

    BtoCの例では、「今期中にECサイト経由の売上高を3億円にする」や「アプリの課金ユーザー数を1万人に増やす」などがあります。BtoBの例では、「年間の新規契約金額を2億円にする」や「リード獲得コスト(CPA)を5,000円に抑えつつ受注総額を維持する」など、最終的な売上や利益に直結する指標がKGIとなります。

    Q5. KGIを達成するためにLPOやABテストはどのように役立ちますか?

    LPOやABテストは、KGIの達成に必要なKPI(例えばコンバージョン率やリード獲得数)を直接的に改善するための具体的な手段です。Webサイトのコンバージョン率が上がれば、同じアクセス数でもKPIであるリード獲得数が増え、最終的にKGIである売上目標の達成に貢献します。KGI達成に向けた重要なボトルネックを改善する役割を担います。

    関連用語

    KPI

    コンバージョン率(CVR)

    LPO

    ABテスト

    ファネル

    アクセス解析

    WEBマーケティング

    ROI

    PDCA