GA4とは
GA4とは、Google Analytics 4(グーグルアナリティクス フォー)の略称で、Googleが提供する最新のアクセス解析ツールです。従来のUniversal Analytics(ユニバーサルアナリティクス/UA)の後継として、Webサイトだけでなく、モバイルアプリのデータも統合して計測できる点が最大の特徴です。GA4は、「セッション」や「ページビュー」を中心とした従来の計測モデルから脱却し、ユーザーのあらゆる行動を「イベント」として捉える新しいデータモデルを採用しました。これにより、顧客が Webサイトやアプリを通して、どのように企業と関わっているかを、よりシームレスかつ包括的に把握できるようになり、現代の複雑化したユーザー行動の分析に最適化されたツールに進化しています。
「イベント」中心のデータモデルが実現する顧客行動の解像度向上
GA4が従来のアクセス解析ツールと最も大きく異なる点は、すべてのユーザー行動を「イベント」として捉える、イベントベースのデータモデルを採用したことです。これにより、従来のページ単位の分析では見えにくかった、顧客の具体的な行動の解像度を格段に高めることができます。
例えば、BtoCのECサイトであれば、「商品の閲覧」「カートへの追加」「購入手続きの開始」「購入完了」といった一連のプロセスを、すべてカスタムイベントとして設定し、それぞれのステップでの離脱状況を詳細に追跡できます。BtoBのWebサイトでも、「資料ダウンロードボタンのクリック」「動画の視聴完了」「特定のフォームの入力開始」といった重要なアクションをイベントとして捉え、どのコンテンツがリード獲得に貢献しているかを正確に把握できます。このイベントベースの計測は、マーケターがユーザーのコンバージョンに至るまでの行動プロセスを深く理解し、改善のボトルネックを特定する上で、非常に大きなメリットをもたらします。
Webとアプリの統合分析が実現する真のカスタマージャーニー把握
GA4のもう一つの革新的な機能は、Webサイトとモバイルアプリのデータを一つのプロパティ内で統合して分析できる点です。スマートフォンが主流となった現代において、顧客は Webとアプリをまたいで企業と接するため、この統合分析は真のカスタマージャーニーを把握する上で不可欠となりました。
例えば、ある顧客が通勤中にアプリで製品を閲覧し、その後、職場のPCからWebサイトで詳細を確認し、最終的に購入するという行動パターンがあったとします。従来のツールでは、これらは別々のユーザーとして計測されてしまい、顧客の全体像を捉えることが困難でした。しかし、GA4では、ユーザーIDやGoogleシグナルといった機能により、異なるデバイスやプラットフォームを跨いだ行動を同一のユーザーとして認識し、最初から最後までの一連の流れをシームレスに追跡できます。これにより、どのチャネルやデバイスが購買行動のどの段階に影響を与えているかを正確に評価できるようになり、より効果的なマーケティング予算の配分が可能になるのです。
機械学習を活用した未来予測とインサイトの提供
GA4は、Googleの強力な機械学習(マシンラーニング)機能も活用しており、単なる過去のデータ分析に留まらず、将来のユーザー行動の予測を可能にする機能を提供しています。これは、データが取得しにくくなっているプライバシー保護の流れにも対応するための重要な進化です。
具体的には、機械学習を用いて、「今後7日以内に購入する可能性の高いユーザー」や「離脱する可能性の高いユーザー」などを予測し、特定の予測オーディエンスを作成することができます。この予測機能を活用することで、マーケターは、離脱しそうなユーザーに特別なオファーの広告を打つなど、先回りした戦略的なアクションを実行できます。従来のアクセス解析ツールでは、過去のデータを見てから対応する「後追い」の分析が主でしたが、GA4は未来の行動を予測し、より効率的で効果的なマーケティング施策を可能にする「予測型」のアクセス解析ツールへと進化を遂げているのです。
Q&A
Q1. GA4と従来のUA(ユニバーサルアナリティクス)の最も大きな違いは何ですか?
UAが「セッション」と「ページビュー」を基本としたのに対し、GA4はユーザーのあらゆる行動を「イベント」として捉えるデータモデルを採用しています。また、Webとアプリのデータを統合して計測できるようになった点も大きな違いです。
Q2. GA4で計測できる「イベント」とは具体的に何を指しますか?
ユーザーがWebサイトやアプリ内で行う具体的な操作や行動全般を指します。具体的には、クリック、動画再生、スクロール、ファイルダウンロード、購入、セッション開始などがイベントとして計測されます。
Q3. BtoBビジネスでGA4はどのように役立ちますか?
資料請求や問い合わせフォームの送信、特定ページの滞在時間、ウェビナー登録などをカスタムイベントとして設定することで、見込み客の購買ファネルにおける行動を詳細に把握できます。これにより、リード獲得に貢献しているコンテンツの特定と改善が可能です。
Q4. GA4はなぜWebとアプリの統合計測を重視しているのですか?
現代のユーザーは、PC、スマートフォン、アプリなど複数のプラットフォームを跨いで製品を検討・購入することが一般的になったためです。GA4は、ユーザーの行動全体を一つの軸で捉え、より正確なカスタマージャーニーの把握と効果測定を実現するために統合計測を重視しています。
Q5. GA4の機械学習機能はどのようにマーケティングに役立ちますか?
過去のデータパターンを基に、将来的に購入や離脱をする可能性の高いユーザーを予測し、そのユーザー層(予測オーディエンス)を広告配信のターゲットとして活用できます。これにより、費用対効果の高いプロモーションが可能になります。
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