離脱率

    離脱率とは

    離脱率(Exit Rate)とは、Webサイトの特定のページにアクセスしたユーザーのうち、そのページを最後にサイトから離れた割合を示す指標です。言い換えると「どのページを見て、ユーザーがサイトを去ったのか」を示す数字です。ただし、離脱率が高いからといって必ずしも問題があるとは限りません。例えば「購入完了ページ」や「問い合わせ完了ページ」は、ユーザーが目的を果たしたうえで離脱しているため、むしろ自然な現象です。離脱率はページごとの役割を踏まえて解釈することが重要です。

    離脱率と直帰率の違い

    離脱率と直帰率はよく混同されがちですが、両者は全く違う意味を持っています。直帰率が「サイトに来て最初の1ページだけで帰ってしまった人の割合」であるのに対し、離脱率は「何ページか見た後で、特定のページからサイトを去った人の割合」です。たとえば、ユーザーが3ページ見てからサイトを離れた場合、最初のページの直帰率はカウントされませんが、最後の3ページ目の離脱率はカウントされます。直帰率は「入口」、離脱率は「出口」と覚えると理解しやすいでしょう。

    BtoCとBtoBにおける離脱率の見方

    BtoC(一般消費者向け)では、購入フォームや決済ページで離脱率が高い場合があります。その原因は、入力が面倒、送料が高い、支払い方法が限られているといった要素が考えられます。ユーザーが「買うのをやめよう」と判断した瞬間が数値に表れるわけです。

    一方、BtoB(企業向け)では、資料請求フォームや問い合わせページで離脱率が高くなるケースが多く見られます。入力項目が多すぎたり、プライバシーポリシーが不明確だったりすると、慎重に検討する企業担当者は不安を感じて離脱しやすくなります。離脱率は、ユーザーが感じる「不安」や「手間」を映す指標として捉えることができます。

    離脱率を下げる方法とLPO・ABテストの役割

    離脱率が高いページは、ユーザーが「期待していた情報と実際の内容にギャップがある」と感じたり、操作に手間や不安を覚えたりしている可能性があります。こうしたページはサイト全体の成果を損なう大きな要因になるため、優先的に改善を行う必要があります。

    その際に役立つのが、LPOランディングページ最適化)やABテストです。LPOではページの構成や訴求内容を見直し、ユーザーにとって使いやすく魅力的な設計へと改善します。ABテストは、改善案を実際のページに適用して比較し、どの要素が離脱率の低下に効果をもたらしたのかを科学的に検証できる方法です。

    たとえばBtoCのサイトであれば、購入フォームの入力項目を減らしたり、送料や追加費用を分かりやすく提示することが有効です。BtoBのサイトであれば、導入事例や顧客の声を掲載して信頼性を高めたり、問い合わせフォームに入力補助を加えて利便性を上げる工夫が効果的です。これらの取り組みをLPOとABテストの両面から行えば、離脱率を着実に下げることができ、結果としてユーザーの回遊性が高まり、CVR(コンバージョン率)の向上にもつながっていきます。

    Q&A

    Q1. 離脱率と直帰率の違いは何ですか?

    離脱率は「最後に見たページから離脱した割合」、直帰率は「最初の1ページだけで離れた割合」です。直帰率は入口、離脱率は出口の指標と捉えると分かりやすいです。

    Q2. 離脱率が高いページはどうやって見つけるのですか?

    Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールで確認できます。特に重要な導線上のページで離脱率が高い場合、優先的に改善すべきです。

    Q3. 離脱率が低いページは良いページですか?

    必ずしもそうではありません。問い合わせ完了ページなどは目的を果たした結果として離脱が発生するため、離脱率が高くても問題はありません。ページの役割と照らし合わせて評価することが大切です。

    Q4. 離脱率を改善するために、まず何から始めればいいですか?

    まずは離脱率の高いページのコンテンツを確認し、ユーザーの期待と提供内容にズレがないかを見直します。例えば「広告で安さを強調したのに、実際のページでは追加費用が多い」といった不一致は大きな離脱要因です。このズレを解消することが、最初に取り組むべき改善です。

    Q5. ページ内の動画は離脱率に影響しますか?

    影響します。動画を見終えたあとに次のアクションが提示されていないと、そこで満足して離脱してしまうことがあります。動画の後に「関連ページへのリンク」や「問い合わせへの導線」を設置するなど、次の行動を誘導する工夫が必要です。

    Q6. 離脱率の平均値はありますか?

    離脱率の平均はサイトのジャンルによって異なるので一概に言えません。一般的にブログや情報サイトは離脱率が高くなりやすく、ECサイトやサービスサイトは低くなる傾向があります。つまり「平均」を気にするより、自社サイトの目的に合った水準を設定することが大切です。

    Q7. 離脱率とSEOの関係は?

    離脱率そのものはGoogleの直接的なランキング要因ではないと言われています。ただし、ユーザーがすぐに離脱するページは「内容が満たされていない」と判断されやすく、結果的にSEO評価に間接的な影響を与える可能性があります。

    Q8. ページの読み込み速度と離脱率の関係は?

    ページの表示速度は離脱率に大きな影響を与えます。ほんの数秒の遅延でも、多くのユーザーは「待つのが面倒」と感じて他のサイトへ移動してしまいます。

    改善方法はいくつかあり、例えば画像を軽くするために圧縮や形式の最適化を行うこと、不要なスクリプトやプラグインを削除して処理を減らすこと、サーバーやキャッシュの仕組みを利用して表示を速めることなどが一般的です。

    さらに、Googleが提供する「PageSpeed Insights」のような表示速度分析ツールを使えば、自分のサイトの速度を測定し、改善の方向性を知ることができます。こうした基本的な対策を積み重ねることで、ページ表示のストレスを減らし、離脱率の改善につなげることができます。

    Q9. サイト内のナビゲーションは離脱率に影響しますか?

    大いに関係します。メニュー構成が分かりにくいと、ユーザーは次のページに進むのを諦めて離脱してしまいます。シンプルで直感的なナビゲーションを整えることは、ユーザーの回遊性を高めるために欠かせません。

    Q10. フォームの離脱率が高いのはなぜですか?

    入力項目が多すぎる、入力エラーの説明が分かりにくい、セキュリティへの不安があるといった理由で離脱が発生します。フォームを最適化することは、離脱率改善のなかでも特に効果が高い施策です。

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    直帰率

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    LPO

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