EFOとは
EFOとは、Entry Form Optimization(エントリーフォーム最適化)の略で、Webサイトの入力フォームを改善し、ユーザーの離脱を防いでコンバージョン率(CVR)を高める施策全体を指します。せっかく広告やLPO(ランディングページ最適化)で集めた見込み客が、最後のフォーム入力段階で面倒さや分かりにくさから離脱してしまう「機会損失」を防ぐことが目的です。具体的には、入力項目の削減、入力補助機能の追加、エラー表示の改善などを行い、ユーザーがストレスなくフォーム送信を完了できるようにします。
フォームは機会損失を防ぐ最後の砦
マーケティング活動において、フォームはまさに「コンバージョンというゴール前の最後の砦」です。多額の広告費をかけてランディングページまで顧客を誘導しても、フォームでつまずかれてしまうと、それまでの努力が水泡に帰してしまいます。フォームの最適化は、流入を増やすのではなく、既存のトラフィックから成果を最大化する施策であり、費用対効果が高いことが特徴です。
例えば、BtoCのECサイトで、フォームの入力項目が多すぎて途中で「やっぱり面倒だ」と離脱する顧客が多いとします。EFOでは、必須項目を最低限に絞ったり、住所自動入力機能を追加したりして、入力の手間を徹底的に削減します。また、BtoBの資料請求フォームであれば、入力中に「この個人情報は営業活動にのみ使われます」といった安心感を高める一言を添えることも有効です。大手企業はもちろん、リソースが限られるベンチャー企業でも、EFOツールを活用することで、確度の高い見込み客を確実に獲得するための収益改善に直結します。
LPOとの連携がコンバージョン率を最大化
LPO(ランディングページ最適化)は、広告などから流入したユーザーの興味を最大限に引き出し、フォームへ進んでもらうための「集客の入り口」としての役割を果たします。それに対しEFOは、ランディングページで高まった関心を、実際の成果であるコンバージョンに確実に変える「成果への結びつき」の役割を担っています。つまり、LPOでユーザーのモチベーションを上げ、EFOでそのモチベーションを維持したままスムーズにゴールさせることで、流入から最終的なフォーム送信までの流れが途切れなくなり、コンバージョン率(CVR)の最大化が可能になります。
フォーム単体で最適化を行うだけでなく、ランディングページからフォームへの「文脈の一貫性」もEFOの重要な要素です。例えば、ランディングページで「たった30秒で完了」と謳っているにも関わらず、フォームの入力項目が多すぎると、ユーザーは裏切られたと感じて離脱します。
EFOとLPOの両方でABテストを行うことで、より効果的な改善策を導けます。ランディングページでフォーム直前に「フォームはシンプルな3項目です」と記載するのと、記載しないのとで、フォームの離脱率に差が出るかを検証できます。このように、フォームだけでなく、フォームに繋がるランディングページとの一連の流れを最適化することで、ストレスのない顧客体験を提供し、コンバージョンを増やすことができます。
EFOの具体的な施策
現代のEFOにおいて、モバイルデバイスでの入力体験の最適化は必須です。スマートフォンからのアクセスが主流となっている今、小さな画面での入力のしやすさが、CVRを大きく左右します。
具体的な施策として、フリガナや電話番号などの入力時に、キーボードの種類を自動で切り替える機能(たとえば数字入力時にはテンキーを表示)や、フォームの項目ごとに十分な入力エリアを確保することが挙げられます。また、エラーメッセージの改善も非常に重要です。ユーザーが誤った情報を入力した際、フォーム送信後に「入力内容に誤りがあります」とだけ表示されると、ユーザーはどこを直せばいいのか分からず、苛立ちを感じて離脱します。EFOでは、リアルタイムでエラー箇所を分かりやすく指摘し、「例:全角で入力してください」「例:ハイフンは不要です」といった具体的な修正指示を表示することで、ユーザーをゴールまで導きます。の入力にかかる手間やストレスを軽減し、コンバージョン率の向上を目指します。
Q&A
Q1. EFOは、LPOと何が違うのですか?
LPO(ランディングページ最適化)は、広告などから流入したユーザーをフォームなどの最終コンバージョン地点へ誘導する手前のページ(ランディングページ)を改善することです。EFO(エントリーフォーム最適化)は、コンバージョン地点である入力フォーム自体を改善することに特化しています。
Q2. EFOの導入は、どのようなツールを使えば良いですか?
EFO専門のツールが多数存在します。これらのツールは、住所自動入力、エラーリアルタイム表示、入力中の保存機能など、EFOに必要な機能がパッケージ化されており、Webサイトにタグを埋め込むだけで手軽に導入できるものが一般的です。
Q3. EFOで最も効果が高いとされる施策は何ですか?
一般的に、入力項目の数を極力減らすことと、入力補助機能(住所自動入力、ふりがな自動入力など)を追加することが、最も離脱率の改善に繋がりやすいとされます。また、フォームの進行状況をバーで視覚的に示すことも有効です。
Q4. フォームの項目が多い場合、CVRを維持するためのEFO施策はありますか?
あります。項目を二段階に分ける「複数ステップ形式」を採用し、最初に入力しやすい項目(例:メールアドレスなど)でリード情報を獲得してから、残りの詳細情報を入力してもらう方法があります。これにより、途中離脱しても一部のデータを確保できます。
Q5. ABテストはEFOの改善にどう役立ちますか?
フォームの改善策は、必ずしもユーザーにとって分かりやすいとは限りません。例えば、ボタンの色や文言を変えるなど、特定の改善施策が実際に離脱率を下げ、CVRを上げる効果があるかを、元のフォームと比較検証するためにABテストを活用します。
関連用語
コンバージョン率(CVR)
かご落ち