コンバージョン単価(CPA)

    コンバージョン単価(CPA)とは

    コンバージョン単価(Cost Per Acquisition/Action)、略してCPAは、1件のコンバージョンを得るのにかかった広告費を示す指標です。計算はシンプルで「広告費 ÷ コンバージョン数」。例えば広告費が10万円で資料請求が10件ならCPAは1万円。国内では「獲得単価」の意味で使われるのが一般的ですが、媒体によっては「Action」の略で定義される場合もあります。

    なぜCPAがWebマーケティングで効くのか

    CPAを見ると、お金をかけて何件の成果を出せたかが一目でわかります。重要なのは安さ競争ではなく、LTVや粗利から逆算して利益が出るCPAの上限を決めること。その許容CPAレンジの中で、件数(量)を最大化できているかが運用の勝ち筋です。
    BtoCなら購入・会員登録、BtoBなら資料請求・問い合わせなど、ビジネスごとの「価値ある行動」をコンバージョンとして定義し、媒体・キーワード・訴求のどこが効率的かを見極めます。CPAの高い配信は止めるのではなく、訴求の見直しや遷移先の改善で救えるかを先に検討すると広告の無駄打ちを減らせます。

    CPAを下げる設計:解析 → LPO → ABテスト

    CPAを下げるために、広告費をむやみに絞ってしまうとCV数も減り、機会損失になりがちです。まずはCVR(コンバージョン率)を上げる方が本質的。
    アクセス解析やヒートマップで離脱理由(スクロールが浅い、主要CTAに注目が集まらない、フォームで止まる)をつかみ、LPOランディングページ最適化)でファーストビューの情報優先度やコピー、CTA位置・文言、フォーム負荷(必須項目・エラーメッセージ)を見直します。変更はABテストで検証。
    BtoCならスマホ体験の引っかかりと決済時の心理抵抗(送料・手数料・会員化の強制など)を減らす。BtoBなら事例・料金・セキュリティの明確化と入力支援(オートコンプリート、リアルタイムバリデーション)で離脱を抑え、CVRを底上げします。CVRが上がれば、同じ広告費でもCVが増え、CPAは下がるという流れです。

    CPAから見えてくる経営課題

    CPAが想定より高い場合、単なる運用の話に留まらず、訴求と商品価値のミスマッチ、ターゲティングの解像度不足、競合の入札圧力など、より上流の課題が潜むことがあります。
    BtoBでは「CPAは安いのに成約が伸びない」ケースもしばしば。これはリード品質の問題かもしれません。獲得源別に商談化率・受注率・平均単価を追い、安いが伸びない配信を外すと、総合の利益が改善します。CPAは事業の費用対効果をつなぐハブ指標と捉えましょう。

    Q&A

    Q1. CPAは低ければ低いほど良いですか?

    必ずしもそうとは限りません。CPAを低く抑えることは重要ですが、CPAが低すぎて獲得数が少ない場合もあります。目標とするCPA内で、いかに多くのコンバージョンを獲得できるかが大切です。

    Q2. CPAとCPCはどう違うのですか?

    CPC(Cost Per Click)は、1クリックあたりにかかった広告費用を指します。一方、CPAは1件のコンバージョンを獲得するためにかかった費用です。CPAは、CPCとコンバージョン率の両方から影響を受けます。

    Q3. CPAの計算式は何ですか?

    CPAは、「広告費用 ÷ コンバージョン数」で算出できます。例えば、広告費50万円でコンバージョンが50件なら、CPAは1万円となります。

    Q4. CPAの目標値はどうやって決めればいいですか?

    LTV(顧客生涯価値)や粗利から逆算して決めるのが一般的です。LTVが10万円のサービスなら、CPAが10万円以下であれば利益が出ることになります。

    Q5. CPAを改善するには、広告費を下げればいいですか?

    費用だけ絞るとCVも減りがち。まずはCVRを上げる(LPO/ABテスト)、次に無駄配信の圧縮、最後に入札・配信量の最適化の順で検討すると総量を落とさずにCPAを下げやすいです。

    Q6. CPAが高くなる原因は何ですか?

    広告のターゲティングがずれている、広告のクリエイティブが魅力的でない、ランディングページのコンバージョン率が低い、競合の広告費が高騰している、などが考えられます。

    Q7. CPAはどの広告媒体でも使えますか?

    はい、リスティング広告SNS広告アフィリエイト広告など、コンバージョンが計測できるすべての広告媒体でCPAを指標として活用できます。

    Q8. LPOはCPAにどう影響しますか?

    CVRが上がればCPAは下がるのが基本です。同じ費用でCVが増えるからです。特にファーストビューの情報設計、CTA、フォーム最適化は効果が出やすい起点になります。

    Q9. CPAとROASはどう違いますか?

    ROAS(Return On Ad Spend)は、広告費に対してどれだけの売上があったかを示す指標です。CPAが「獲得単価」であるのに対し、ROASは「費用対効果」を表します。

    Q10. CPAの分析は誰がやるべきですか?

    マーケティング担当者や広告運用者が行うのが一般的です。しかし、CPAの目標値設定には、経営層や事業責任者が関わることが重要です。

    関連用語

    コンバージョン率(CVR)

    LPO

    ABテスト

    ROI

    ROAS

    クリック単価(CPC)

    コンバージョン

    ランディングページ

    リスティング広告

    SNS広告

    アフィリエイト広告

    LTV

    KPI

    ファネル

    ターゲティング

    PDCA

    EFO