被リンクとは
被リンクとは、Webサイトの外部にある別のWebサイトから、自分のWebサイトへ向けられたハイパーリンクのことを指します。外部サイトからの評価を示すものとして「外部リンク」とも呼ばれ、英語では「バックリンク（Backlink）」と呼ばれることもあります。検索エンジン最適化（SEO）の世界では、この被リンクがWebサイトの評価を決定づける非常に重要な要素の一つとして扱われてきました。イメージとしては、あなたのWebサイトが「信頼できる情報源」として、他者から推薦状をもらっている状態だと考えるとわかりやすいでしょう。質の高い被リンクを多く獲得することは、検索順位の向上に直結する大きな要因です。
被リンクが検索順位にもたらす強力な影響力
被リンクは、Googleなどの検索エンジンがWebサイトの信頼性や専門性を判断する上で、最も重視する要素の一つであり続けています。
権威性（オーソリティ）の証明
検索エンジンは、多くのWebサイトからリンクされているページを、「他の多くの人から参照されるほど、価値が高く、信頼できる情報を提供している」と判断します。特に、関連性の高い分野で高い権威性を持つWebサイトからの被リンクは、そのWebサイトの評価の一部を受け継ぐことになり、あなたのWebサイトの信頼度を一気に高めてくれます。例えば、業界団体の公式Webサイトや、著名な大学の学術論文からあなたのBtoBサービスに関する記事にリンクが貼られた場合、それは非常に強力な「推薦状」となるでしょう。この権威性の向上は、検索順位を大きく押し上げる原動力となります。
リンクの「質」が「量」を凌駕する時代
かつては、被リンクの「量」が重視され、手当たり次第にリンクを集める施策が行われた時期もありました。しかし、現在の検索エンジンは、リンクの「質」を極めて厳しく見ています。具体的には、リンク元のWebサイトがあなたのWebサイトのテーマと関連しているか、そのWebサイト自体の品質が高いか、不自然な操作（リンク購入など）がされていないかといった点が重要になります。質の低いWebサイトやスパム的なWebサイトからの不自然な被リンクは、逆にWebサイトの評価を下げる「ペナルティ」の原因にもなりかねません。そのため、ベンチャー企業であっても、質の高いコンテンツを作り、自然な形で評価されることに注力すべきなのです。
質の高い被リンクを獲得するためのコンテンツ戦略
被リンクは、お金を払って買うものではなく、コンテンツの品質が認められた結果として「もらう」ものです。自然で良質な被リンクを獲得するためには、戦略的なコンテンツ作りが欠かせません。
引用したくなる「独自性」と「専門性」
自然な被リンクを獲得できるコンテンツには、共通して「他のWebサイトにはない独自の情報」や「専門的な視点からの深い分析」が含まれています。例えば、業界のトレンドを分析したオリジナルのデータや、ニッチな課題を解決するための詳細なテクニック集、BtoB向けの成功事例の徹底解説などは、他のWebサイトが情報源として引用したくなる価値を持っています。マーケターは、単なる情報羅列のコンテンツではなく、その分野の第一人者と見なされるような、誰かの「困った」を解決するコンテンツを生み出すことを目指すべきでしょう。
リンクされやすいコンテンツフォーマットの活用
コンテンツの形式も、被リンク獲得の可能性に影響を与えます。例えば、インフォグラフィックスのような視覚的にわかりやすいデータまとめや、包括的なチェックリスト、調査レポートなどは、引用元としてリンクされやすい傾向があります。また、競合が多いキーワードで上位表示を目指すのではなく、誰も書いていないニッチな情報や、質問の形で検索されるロングテールキーワードを狙って、ユーザーの疑問に完全に答えるコンテンツを作ることも有効です。質の高いコンテンツを作成したら、SNSやメールマガジンを通じて積極的に発信し、多くの人の目に触れる機会を増やす努力も怠るべきではありません。
Q＆A
Q1. 被リンクは、多ければ多いほどSEOに有利ですか？
いいえ、単に数が多ければ良いわけではありません。現在のSEOでは、被リンクの「質」が「量」よりも重要視されます。関連性の高い、権威あるWebサイトからのリンクは非常に評価されますが、質の低いリンクはマイナス評価につながる可能性もあります。
Q2. 自分のWebサイトの被リンク状況は、どうやって確認できますか？
Googleサーチコンソールの「リンク」レポートで確認できます。また、AhrefsやMozなどの専門的なSEOツールを利用すると、競合Webサイトの被リンク状況なども含めて、より詳細な分析を行うことが可能です。
Q3. 被リンクを獲得するために、リンク購入は効果的ですか？
絶対に避けるべき行為です。リンクの売買はGoogleのガイドラインで明確に禁止されており、発覚した場合は検索順位の大幅な下落やインデックスからの除外といった「ペナルティ」を受ける原因となります。自然な形でリンクを獲得することが重要です。
Q4. 被リンクと内部リンクでは、SEOにおける役割が違いますか？
はい、役割が異なります。被リンクは「外部からの推薦」であり、Webサイトの権威性や信頼性を高めます。内部リンクは「Webサイト内の道案内」であり、クローラーの巡回を助け、Webサイト内のページ評価の配分を助けます。どちらも重要ですが、役割は別物です。
Q5. 悪質なWebサイトから被リンクをもらった場合、どうすればいいですか？
自分でコントロールできない悪質な被リンクは、「リンク否認ツール」を使ってGoogleに報告し、そのリンクを評価の対象から外すよう依頼することができます。定期的に被リンクを監視し、不自然なリンクがないかチェックすることが大切です。
関連用語
コンバージョン率（CVR）